30代職歴なしから一発逆転するために、司法書士を目指す人がいると思います。
しかし、個人的にはおすすめしません。
年齢が高いからという問題ではありません。司法書士試験の平均合格年齢は約38歳です。
だから、年齢的には30代からでも十分に間に合います。
この年齢以外の部分で、おすすめしない理由があります。
そこで今回の記事では、30代職歴なしで司法書士を目指すのはおすすめしない理由を解説しました。
目次
30代職歴なしから就職するより司法書士になる方が難しい
冒頭でも述べたように、年齢はネックになりません。それ以外の部分が要因で司法書士になるのは難しいです。
学習途中で挫折する
司法書士に合格するために必要な学習時間は、一般的に3000時間と言われています。
1日8時間勉強したとして、1年かかります。働きながらだと2年・3年とかかりますが、職歴なしであれば、時間はあるので、1年で合格できる可能性はあります。
しかし、これまで就職活動さえまともにしてこなかった人が、急に司法書士の勉強をしだして、果たして合格できるでしょうか?
非常に難しいと思います。
司法書士試験は、司法試験・予備試験や公認会計士試験に次いで難易度が高いです。
十中八九、途中で挫折します。
だから、おすすめしません。
金銭的な問題がある
司法書士試験の学習をするには、予備校に通うのが一般的です。
ここで、ネックになるのが、予備校の講座の費用です。
通学よりも通信講座の方が安く、10万円くらいから受講できます。
通学だと50万円以上するところもあるので、大きな違いがありますが、それでもそれなりの価格です。
職歴なしだと、お金を用意するためにアルバイトをする必要があります。
でもアルバイトをするんだったら、普通に就職活動をした方が良いです。
30代職歴なしでも対応している就職エージェントがあるからです。
30代職歴なしの司法書士を雇いたがらない
30代職歴なしで司法書士試験に合格したとします。そこから司法書士事務所に就職を考えた場合に、雇ってくれない可能性が高いです。その詳細をまとめました。
司法書士を雇うと人件費がかさむ
有資格者になると、補助者よりも高い給料を払わないといけません。
初任月給25万円とした場合、年収ベースだと、300~350万円を払うことになりますが、補助者だとアルバイトがほとんどなので、半分以下の人件費で済みます。
個人で独立開業した司法書士事務所ほど、人件費は抑えたいので、雇いたがりません。
大手の事務所であれば、余力があるので、雇えますが、その分、ライバルも就職を狙っているので、ライバルが職歴ありだった場合、不利になる可能性があります。
そもそも独立前提の資格である
そもそも司法書士試験は実務家登用試験なので、就職するのではなく、いきなり独立開業すべきなのです。
いきなり独立するのは不安に感じるかもしれませんが、司法書士会の研修制度があって、無報酬で司法書士事務所で一定期間働くことができるので、実務を身につけることはできます。
地方では厳しい
東京や名古屋、大阪など大都市圏ならまだしも、地方では仕事が限られているので、勤務司法書士になることは難しいです。
そのため、地方ではいきなり独立開業する人が多いです。
30代職歴なしで司法書士になっても続かない
30代職歴なしで司法書士になっても続かない人がいます。その詳細をまとめました。
地味な仕事が多い
司法書士と聞くと、ステータスがあって世間体も良く聞こえますが、実際は地味な仕事が多いです。
だから、資格取得を目指す時から実際に仕事を始める時までは、相当な期待を持ってしまいますが、現実に直面すると、ギャップから思い悩んでしまう人も中にはいます。
仕事内容をよく理解してから、司法書士にならないと、続けられずに辞めてしまうので注意しましょう。
人間関係が難しい
司法書士事務所は小規模なところがほとんどです。
いったん人間関係が悪くなると、非常に居づらくなり、辞めてしまう人もいます。
社内の人間関係だけでなくて、顧客や裁判所、銀行、一般企業など人と関わるケースは多く、トラブルもあります。
職歴のある人であれば、仕事上の嫌なことは1つ2つ経験しているので、耐えることもできますが、30代職歴なしはアルバイトでも働いたことが無い人がいるので、耐えきれないことがあります。
集客できない
司法書士の資格も取って、独立もしました。
しかし、お客さんが来ません。開店休業状態です。
これは司法書士に限らず他の士業でもよくあるケースです。
営業やマーケティングが上手くないと、集客ができずに赤字が続き、耐えきれずに廃業してしまう人がいます。
その点、職務経験のある人は、営業やマーケティングの仕方を知っている人もいるので、何とかなります。
司法書士会の研修で実務経験を積んだだけでは、解決できる問題ではありません。
大手の司法書士事務所は、専任の営業・マーケティング要員がいるので、実務に専念できますが、小規模な事務所や独立開業した場合、自分でしないといけないので、実務と並行して勉強もする必要があります。
まとめ
職業選択の自由があるので、司法書士を目指すのは自由です。
しかし、
- 就職するよりも難しい
- 有資格者を雇いたがらない
- 続かない
という理由から、おすすめはできません。
司法書士になるために割ける時間があるのであれば、就職活動をしましょう。
30代職歴なしからでも、サポートしてくれる就職エージェントはあります。
特におすすめなのは、35歳まで対応している就職カレッジです。