30代職歴なしからでも司法書士を目指すのはありなのか思い悩んでいませんか?
士業の中でも難関資格なので、難しいことは誰でもわかっています。
それでも30代職歴なしで司法書士を目指してもよいのか、詳細を解説しました。
目次
30代職歴なしで司法書士を目指すのはあり
30代職歴なしで司法書士を目指すのはありです。
以下にメリットを踏まえた理由をまとめました。
30代・40代職歴なしからでも司法書士になっている人がいる
受検資格の制限はないため、年齢はもちろん、学歴も職歴も不要です。
合格者の年齢を見るとわかりますが、令和5年のデータでは最年少が19歳、最年長が82歳で、平均年齢が41歳なので、30代・40代からでも間に合います。
実務家登用試験なので、すぐに独立してやっていくことも可能です。
だから、30代職歴なしという世間体を気にする必要がなくなります。
30代・40代でも応募できる司法書士の求人がある
実際に、30代・40代でも司法書士試験合格者向けの求人はあります。
年齢が高いから求人も無いだろうというのは間違いです。
当然、年齢が高くなるほど少なくなっていくのは事実ですが、40代でも諦める必要はありません。
年をとっても働ける
他の職種と異なり、司法書士に定年はありません。
資格を保持していれば何歳でも働くことができます。
30代・40代だとスタートに遅れたと思うかもしれませんが、長く働けるので遅れは誤差の範囲です。
上手くやれば高収入を目指せる
勤務司法書士の場合は、勤務先の事務職員や営業などの人件費がかかったり、給与体系次第なので、必ず高収入になるとは限りません。
しかし、独立してやっていく場合には、個人で仕事を完結することもでき、仕事をした分だけ収入につながるので高収入を目指せます。
その前提として、人脈形成や営業スキルは必要になるので、一定期間は勤務司法書士としての経験を積んでおくことはしておいた方が良いです。
ただし、30代職歴なしで司法書士を目指すには条件がある
30代職歴なしで司法書士を目指すのはありですが、条件付きです。
その条件を以下にまとめました。
司法書士試験に挑戦する期限を決めておく
司法書士に合格するために必要な学習時間は、一般的に3000時間と言われています。
1日8時間勉強したとして、1年かかるので、働きながらだと2年・3年です。
職歴なしであれば、時間はあるので、1年で合格できる可能性はあります。
しかし、人によって学力は様々で、何年経っても合格できない人の方が多いです。
司法書士試験に挑戦する期限を決めておきましょう。
独学ではなく司法書士予備校に通う
これまで勉強をまともにしてこなかった人が、急に司法書士の勉強をしだして、果たして合格できるでしょうか?
非常に難しいと思います。
司法書士試験は、司法試験・予備試験や公認会計士試験に次いで難易度が高いです。
独学で勉強しても、十中八九、途中で挫折します。
素直に司法書士予備校に通って勉強しましょう。
学習に専念する場合の費用を工面しておく
司法書士試験の学習をするには、予備校に通うのが一般的です。
ここで、ネックになるのが、予備校の講座の費用です。
通学よりも通信講座の方が安く、10万円くらいから受講できます。
通学だと50万円以上するところもあるので、大きな違いがありますが、それでもそれなりの価格です。
その上に自活していると、生活費がかかります。
親からの金銭的支援があまり期待できない場合は、アルバイトや期間工で費用を貯めておく必要があります。
30代職歴なしで司法書士になる際の注意点
30代職歴なしで司法書士になる際の注意点も合わせて確認しておきましょう。
地味な仕事に耐えられないことがある
司法書士と聞くと、ステータスがあって世間体も良く聞こえますが、実際は地味な仕事が多いです。
だから、資格取得を目指す時から実際に仕事を始める時までは、相当な期待を持ってしまいますが、現実に直面すると、ギャップから思い悩んでしまう人も中にはいます。
仕事内容をよく理解してから、司法書士にならないと、続けられずに辞めてしまうので注意しましょう。
人間関係に耐えられないことがある
司法書士事務所は小規模なところがほとんどです。
いったん人間関係が悪くなると、非常に居づらくなり、辞めてしまう人もいます。
社内の人間関係だけでなくて、顧客や裁判所、銀行、一般企業など人と関わるケースは多く、トラブルもあります。
職歴のある人であれば、仕事上の嫌なことは1つ2つ経験しているので、耐えることもできますが、30代職歴なしはアルバイトでも働いたことが無い人がいるので、耐えきれないことがあります。
独立の場合は集客の仕方を勉強する必要がある
司法書士の資格を取って独立をしたものの、お客さんが来ず、開店休業状態というのは、司法書士に限らず他の士業でもよくあるケースです。
営業やマーケティングが上手くないと、集客ができずに赤字が続き、耐えきれずに廃業してしまう人がいます。
その点、職務経験のある人は、営業やマーケティングの仕方を知っている人もいるので、何とかなります。
司法書士会の研修で実務経験を積んだだけでは、解決できる問題ではありません。
大手の司法書士事務所は、専任の営業・マーケティング要員がいるので、実務に専念できます。
しかし、小規模な事務所や独立開業した場合、自分でしないといけないので、実務と並行して勉強もする必要があります。
司法書士試験に強い資格予備校
司法書士を目指している人におすすめの資格予備校を紹介します。
伊藤塾
司法試験をはじめ司法書士、行政書士など法律系資格に強い予備校です。
伊藤塾の公式サイトに掲載されている令和5年度の合格実績は93名が確認できます。(合格率は不明)
過去をみても継続して高い実績を出しており、おすすめの予備校の1つです。
基本は通信講座で、初学者向けの講座はスタンダードコースで499,000円(税込)となっています。
アガルート
行政書士試験に強い予備校で、近年は司法書士試験の受講者数、合格実績も伸ばしてきています。
有料講座受講生の合格率は15.4%(令和5年度)で、唯一割合を公表していますが、合格者数は不明です。
初学者向けの講座で、「入門総合カリキュラム/フル」の最高値でも294,800円(税込)なので、コストパフォーマンスは良いと言えます。
受講はすべてオンラインで、隙間時間でも学習しやすいように設計されているため、おすすめです。
TAC
TACは公認会計士試験に強い予備校ですが、司法書士の実績も多くあるためおすすめです。
公式サイトには、52名の合格者(令和5年度)が掲載されています。
講座は効率重視の山本オートマチックと段階的に学べる入門総合本科生の2種類から選んで学べますが、後者の方がやや価格が高いです。
前者の1年総合本科生<山本オートマチック>の教室・ビデオ・Web通信講座は418,000円(税込)、DVD通信は451,000円(税込)となっています。
LEC
LECは1984年から司法書士試験の指導実績がある予備校です。
令和5年度の一発合格者を27名出していて、その他の合格者も多数見られます。
講座は通学と通信があり、通信はWeb+音声ダウンロード、DVDが選択できるため、自分の生活スタイルに合った学習ができます。
講座の種類・学習スタイルによって価格は異なりますが、初学者向けの新15ヶ月合格コース<春生>通信講座の場合、一般価格はWeb+DLが498,000円、DVDが592,000円となっています。
スタディング
スタディングは通信講座で安価に学べる予備校で、令和5年度は21名の合格実績を出しています。
すべて揃っている司法書士合格コースコンプリートでも99,000円(税込)でとても安いです。
テキストは全てオンラインでの提供となっていますが、オプション(税込27,500円)で冊子版も利用できます。
低価格なため、質問は有料になっており、チケットを購入する必要があります。